ベン図の記号と記法

ベン図で使われる集合の記号とその意味をわかりやすく説明

読み取り時間 : 約7分

トピック :

    基本の集合記号

    ∪: 2つの集合の和集合。完成したベン図は2つの集合の和集合を示します。

    ∩: 2つの集合の共通部分。共通部分には、カテゴリー間で共有される項目が入ります。

    Ac: ある集合の絶対補集合。補集合とは、ある集合に含まれないものすべてを指します。

     

    ベン図について真剣に考えてみましょう。小学校で習った簡単なベン図ではなく、ビジネスパーソンが複雑な数学的アイデアを表現するために使う、本格的なビジュアルツールとしてのベン図に焦点を当てます。

    ベン図は、集合論という数学の一分野に属する集合やオブジェクトの集合を視覚的に表現するツールです。集合論は数学の基礎をなす重要なシステムの1つであり、無限大や実数の理解を深めるのに役立ってきました。

    研究者や数学者は、集合論を基に言語と記法の体系を開発してきました。ベン図を理解するためには、まずその記号について知る必要があります。

    このガイドでは、ベン図の作成プロセスとその記号を詳しく説明します。使いやすく無料で利用できるLucidchartを使って具体例を紹介しますので、一緒にベン図を作成してみましょう。自分で試してみたい場合は、以下のリンクから無料アカウントを作成してください。それでは、始めましょう!

    ベン図と集合論

    集合論では30種類以上の記号が使われますが、基本を理解するには、そのうちの3つを知っておけば十分です。これらを習得できたら、より複雑なものにチャレンジしてみましょう。

    2つの集合の和集合 : ∪

    円や楕円はそれぞれカテゴリーを示します。2つの集合の和集合は ∪ で表します (英字の「u」とは違いますので、お間違えなく)。

    これは、2つの円を使ったベン図です。緑の円が A、青の円が B で、完成したベン図は A と B の和集合 (A ∪ B) を示します。画像をクリックするとこの図をテンプレートとして使用できます。

    2つの集合の和集合(∪)のベン図
    2つの集合の和集合のベン図(オンラインで変更するには画像をクリック)

    では、現実世界での2つの集合の和集合とは、どんなものが該当するでしょう。例えば、集合 A がピアノを弾く人のグループ、集合 B がギターを弾く人のグループとすれば、A ∪ B はピアノを弾く人、ギターを弾く人、またはその両方を弾く人というようになります。

    2つの集合の共通部分 : ∩

    ベン図を作成する際には、2つの集合の共通部分、つまり、カテゴリー間で共有される項目に関心が向くことが多々あります。この図では、青緑の領域 (青と緑が重なる部分) が A と B の共通部分 (A ∩ B) を示します。

    2つの集合の共通部分(∩)のベン図
    2つの集合の共通部分のベン図(オンラインで変更するには画像をクリック)

    上述の例で説明すれば、ピアノとギターの共通部分には、両方の楽器をマスターした人が入ります。

    1つの集合の絶対補集合 : Ac

    ベン図を作成する際には、集合に含まれないものも考慮する必要があります。これは、集合 A の補集合 (Ac) となります。

    ある集合の絶対補集合とは、その集合に含まれないすべてを指します。これはつまり、宇宙 (英字の U) が存在することを前提とすれば、A を除き、その宇宙に含まれるすべてが U における A の絶対補集合となるという意味で、この状態は方程式 Ac = U \ A で表すことができます。

    以下の Lucidchart の図では、U における A の絶対補集合を表しています。グレーの部分は A 以外のすべてを示します。楽器の場合であれば、ピアノを弾かない人すべてに対応します。

    集合論を表すファストフードのベン図

    集合論を実際に応用してみるため、ある例を使ってみましょう。どんなファストフードレストランが好きかを A さん、B さん、C さんの3人に尋ねてみます。3つの円を使った図で、1つのレストランが誰にも選ばれない場合、1人に選ばれる場合、2人に選ばれる場合、全員に選ばれる場合のすべての可能性をカバーします。

    アンケート結果は次のようになりました。

    レストランABC
    McDonald'sx x
    Wendy'sxx 
    Burger King   
    In-N-Out xx
    Taco Bellx x
    KFC   
    A&W   
    Chick-fil-Axxx

    次に、この結果を表すベン図を作成します。下のテンプレートを使用しました。先ほど説明した記号 ∩ で2つの集合と3つの集合の共通部分を表しています。レストランが占有できる領域は8つあります。

    ベン図の集合の記号を使った例
    レストラン調査結果のベン図の例(オンラインで変更するには画像をクリック)

    では、アンケート結果に従ってベン図に記入していきます。A ∩ B には、A さんと B さんの両方が選択した Wendy’s が入ります。Burger King は誰も選びませんでしたが、利用可能なファストフードレストランという宇宙には存在するので、図の外側の白い部分に入ります。A ∩ B ∩ C の共通部分には、全員が選んだ Chick-fil-A が入ります。

    最終的な図は次のようになります。

    ファストフードのベン図例
    レストランの選好のベン図(オンラインで変更するには画像をクリック)

    ビジュアルを使えば、3人でランチの場所を決めるのもスムーズですね!

    ベン図の使い方が分かったところで、この例をカスタマイズしてオリジナルの図を作ってみましょう。

    intersection-venn-diagram-example
    ベン図の例(オンラインで変更するには画像をクリック)

    ベン図の記号をマスターしたところで、さっそく図の作成方法に移りましょう!

    やり方をチェック

    ベン図の記号をさらに詳しく知るには

    集合論についてさらに学び、高度なベン図を作成したい方には、おすすめできるリソースがいくつかあります。例えば、スタンフォード百科事典でも基本的な集合論の序論が公開されています。

    ベン図の歴史を詳しく学ぶには、Lucidchart の解説ページ「ベン図とは?」を読んでみましょう。集合論を円を重ねる形で表現する方法を広めたのは John Venn 氏ですが、それ以前にもベン図の概念や記号はすでに存在していました。

    作図に役立つヒント

    ここまでのプロセスを Lucidchart で辿ってこられた方なら、ベン図作成にぴったりなソリューションであることがもうお分かりでしょう。クラウドで編集できるため、同僚とのコラボレーション、画像のインポート、デジタルや紙ベースでの図の共有などが手軽にできます。

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    Lucidchart について

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