プロダクトオーナーの役割と責任範囲

プロダクトオーナーとは?主な役割と責任範囲7つ

読み取り時間 : 約6分

トピック :

  • エンジニア
  • 製品開発

プロダクトオーナーは、あらゆる開発サイクルの中心となる存在です。でも、実際にはどのような活動をしているのでしょうか。

プロダクトオーナーの役割は環境によって大きく異なりますが、通常は、事業戦略から製品設計に至るまで、重要かつ多彩な役割と責任範囲を担っています。プロダクトオーナーは継続的なバックログ管理を通じて製品とビジネスの価値を最大化する責任があります。

このブログ記事では、スクラムプロダクトオーナーの7つの重要な役割と責任について確認します。

プロダクトオーナーとは?

最も基本的なレベルでは、アジャイル (スクラム) におけるプロダクトオーナーは、スクラム開発チームの作り出す製品の価値を最大化する任務を担います。

ただ、これを実践するには、ビジネスストラテジスト、製品デザイナー、市場アナリスト、顧客との調整役、プロジェクトマネージャーなど、いくつかの役割を果たす必要があります。つまり、アジャイルプロダクトオーナーはスクラムチームに欠かせない存在なのです。

プロダクトオーナーの役割の概要
プロダクトオーナーの役割と責任範囲の概要 (Lucidchart で拡大版を見るには画像をクリック)

プロダクトオーナーの役割

スクラムプロダクトオーナーは、製品開発のさまざまな分野を主導します。市場に関する豊富な知識を活用して戦略を立案し、ビジョンをステークホルダーに対してプレゼンする日もあれば、開発者としてスプリントでのチームの目標達成を支援する日もあり、八面六臂の活躍を見せます。

主な役割と責任範囲7つ

1. ビジョンを定義する

アジャイルプロダクトオーナーは、製品開発のキーパーソンとして、俯瞰的な視点からプロジェクト開発の目標を定義し、ビジョンを打ち立てます。

目標を明確にし、ビジネスの目的とビジョンの整合性を保てるよう、顧客、事業部門のマネージャー、開発チームなど、全方位的にステークホルダーとコミュニケーションを取ります。

プロダクトオーナーが高い視点を持つことで、ペースが早く、変更も多いアジャイル開発環境でもチームが一貫性のあるビジョンを持ち続けられるようになります。プロジェクトを円滑に進めるには、チーム全員で認識が共有できていることが大切です。

こうしたビジョンをチームで維持するには、製品ロードマップを作成するのがおすすめです。製品ロードマップを活用することで、長期的な製品提供のビジョンと方向性を高い視点からビジュアルで戦略的に掴むことができ、ステークホルダーが参照できる戦略ガイドとしても、実践に向けた計画としても役立ちます。

プロダクトロードマップの例テンプレート
プロダクトロードマップの例 (Lucidchart で拡大版を見るには画像をクリック)

2. プロダクトバックログを管理する

スクラムプロダクトオーナーの最も重要な責務の1つに、プロダクトバックログの管理があります。これは、開発チームのプロジェクト ToDo リストとも呼べるものです。

プロダクトオーナーの任務は、バックログ項目のリストを作成し、全体的な戦略とビジネス目標に基づいて優先順位を付けることです。また、必要な開発順序を周知するためにプロジェクトの依存関係のマッピングも行います。

ただ、プロダクトバックログは固定した ToDo リストではなく、開発期間を通じ、プロジェクトのニーズの変化に合わせて継続的に更新を行っていくべきものです。

プロダクトバックログは頻繁に変更されるため、プロダクトオーナーは、パフォーマンスとプロジェクトの成果を最適化できるよう、ステークホルダー (特に開発者) 全員がバックログにいつでもアクセスできる状態を保つ必要があります。

プロダクトバックログの管理について詳しく確認しましょう。

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3. ニーズに優先順位を付ける

プロダクトオーナーの重要な役割には、ニーズの優先順位付けもあります。スコープ、予算と時間のバランスを保ちながら、ステークホルダーのニーズと目的に合わせて優先順位を検討していくことが求められます。

例えば、開発中の製品を6か月以内にリリースする必要がある場合、プロジェクトのスコープはこの枠に制限されます。プロダクトオーナーは、プロジェクトの進行に合わせて柔軟に調整できる分野とそうでない分野を見極め、各イテレーションと製品要素を開発する方法とタイミングを判断していきます。

4. 開発段階を監督する

ビジョン、戦略と製品の優先順位が固まった後、プロダクトオーナーは実際の製品開発の監督に多大な時間を費やすことになります。計画、修正、レビューとスプリントの各イベントを通じてキーパーソンとして貢献します。

計画段階では、アジャイルプロダクトオーナーは、ステークホルダーとの協業で次のイテレーションに必要なステップの特定と整理を行い、その後、チームと一緒にプロセスの微調整や改善の余地の洗い出しを行って、スプリントを支援していきます。

5. 顧客のニーズを予測する

優れたスクラムプロダクトオーナーには、顧客のニーズをきめ細かく理解し、予測することで、開発プロセスを効果的に管理する手腕があります。

市場に関する深い知識とコミュニケーションスキルで、問題やニーズを予測し、対処します。

顧客のニーズを予測するには、カスタマージャーニーマップの作成がおすすめです。共有できるカスタマーエクスペリエンスのビジョンを視覚化するもので、時間と労力を省いて、顧客の思考を読み、驚かせることに集中するのに最適なツールです。

カスタマージャーニーマップテンプレート
カスタマージャーニーマップテンプレート(オンラインで変更するには画像をクリック)

製品管理の専門家である Roman Pichler から、利害関係者と協力するためのヒントを入手してください。

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6. 主な連絡役として対応する

プロダクトオーナーは、ステークホルダーとチームをつなぐ連絡役としても機能します。コミュニケーションの名手として、重要なすべての意思決定や戦略においてステークホルダーからの支持を勝ち取り、開発者に対しては明確な指示を出して、求められる成果物を的確に伝えることが求められます。

7. 各イテレーションで製品の進捗状況を評価する

プロダクトオーナーは、開発プロセスの各段階と最終製品についての責任を負います。各イテレーションを通じ、製品の進捗状況の検査と評価を主体的に行い、パフォーマンスに基づいて、チームが設計段階に戻るべきか、次のステップへ進むべきかを決める最終決定を下す役割も果たします。

多彩な役割を務めるアジャイルプロダクトオーナーには、変化する役割に応じてすばやく適応するためのツールやソリューションが必要です。

カスタマージャーニーの概要説明から製品デザインのモックアップ作成、製品の依存関係のマッピングやステークホルダーとの成果の共有に至るまで、開発プロセスのあらゆる段階でスクラムチームを支えてくれるのが、ビジュアルです。

プロダクトオーナー

次のステップを踏み出して、重要な役割を果たすオーナーとしてスクラムチームを構築しましょう。

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