プロジェクト管理が重要な6つの理由
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プロジェクト管理がなぜ重要なのか、疑問に思ったことはありませんか?
過去にプロジェクトマネージャーと協業したことがない場合には、自分でプロジェクトを管理して費用を抑えたいという気持ちにかられることもあるかもしれません。プロジェクト管理には多大な費用がかかります。自分ですれば大きな節約になりそうな気もします。
ただ、事はそう簡単ではありません。
優れたプロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体のまとめ役として、品質と目的をスケジュールと予算に合わせて実現します。プロジェクトマネジメント協会 (PMI) によれば、プロジェクト管理を軽視する組織では、プロジェクトの平均50%以上が完全な失敗に終わっています。約半数。大きな数字です。
プロジェクトの失敗は、さまざまな取り組みの方向を見失わせ、事業の成長を阻害する要因ともなります。
プロジェクト管理とは、単なる期限の追跡や予算の設定にとどまりません。優秀なプロジェクトマネージャーは、開始から終了までプロジェクトをコントロールし、取り組みと目標の方向性を戦略的に調整しながらステークホルダーのサポートを獲得し、適切に共通認識を醸成していきます。
プロジェクト管理とは?
プロジェクト管理の重要性を理解するには、まずプロジェクト管理とは何かを定義する必要があります。
PMI では、プロジェクト管理を「プロジェクト活動がプロジェクトの要件を満たすよう、知識、スキル、ツールやテクニックを適用すること」と定義しています。基本的なプロジェクト管理ライフサイクルには以下の4つのステージが含まれます。
- 開始
- プランニング
- 遂行
- 完了
言いかえれば、プロジェクト管理の目的とは、事前にリストアップした目標や成果物をうまく完了させるためにプロジェクトを計画・管理することとなります。具体的には、リスクの特定と管理、慎重なリソース管理、賢い予算管理、複数のチームやステークホルダー間でのコミュニケーションなどが含まれます。
プロジェクト管理が重要な理由
プロジェクトとはしばしば、無数のステークホルダーが関わる複雑なものです。したがって、取り組みを先導し、全員の共通認識を築くプロジェクトマネージャーを設けることがその成功には不可欠となります。
実際に、PMI では、何らかの種類のプロジェクト管理手法を用いる組織は予算やスケジュールの達成、スコープや品質基準の充足の面で優れる傾向にあり、期待される利益も得やすいとしています。
まだ確信が持てませんか?
プロジェクト管理を行うべき6つの理由を以下で見ていきましょう。
1. 現実的なプロジェクト計画
プロジェクト計画はこの上なく重要です。組織ではつい、成果物の達成までにかかる時間やコストを少なく見積もりがちな傾向がありますが、これでは失敗は避けられません。
優れたプロジェクトマネージャーは、全体像を把握し、現実的で達成可能な目標、予算とタイムラインを設定します。慎重なプロジェクト管理を行わなければ、開始する前にプロジェクトが脇道にそれてしまうことになりかねません。
現実的な目標、予算とタイムラインを設定するため、プロジェクトマネージャーはさまざまなステークホルダーとコミュニケーションをとり、取り組みにおける戦略的な優先事項と事業目標の理解を深めます。この調査結果に基づき、その後、プロジェクトマネージャーは時間と予算の制約内で優先事項のバランスをとってプロジェクト計画を策定します。このプロセスには、コストの見積もり、リソース管理とリスク評価が含まれます。
2. 明確な目標と目的
2017年のプロジェクト失敗の理由として最も多かったものが明確な目標の欠如でした。プロジェクトマネージャーは、組織が優先順位を確実に付け、プロジェクトの目的を定義するための立役者となります。
プロジェクト管理をチーム任せにすると、こうしたスコープや目的が曖昧になりやすく、焦点がぶれてスコープの膨張、期限や予算の超過を招く可能性があります。
加えて、プロジェクト計画とタスクの割り当てを監督するプロジェクトマネージャーが不在なため、潜在的なリスク要因が発生した時点で気づくこともできなくなり、順次対応もできないため、誤ったタスクの優先順位付けをしてしまう可能性もあります。
優れたプロジェクトマネージャーは、チームが適切なタスクにタイミングよく取り組み、必要に応じて調整できるよう、これらの要因すべてに目を配ります。
3. 戦略との方向合わせ
プロジェクト管理を行う最も重要な理由のひとつは、プロジェクトを事業戦略に適合させることです。PMI の Mark Langley 会長兼 CEO は、「プロジェクト管理能力に劣る組織は、戦略の最終的な実現という点においてあまりに多くのリスクを負いすぎている」と警告しています。
つまり、プロジェクト管理とは組織の戦略の推進力とも言え、プロジェクト管理を施策に適用しないと、成長に欠かせない機会を見失うことになりかねないのです。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの計画と実践を監督する中で、プロジェクトの全体的な目標とそれに続くタスクやマイルストーンが組織の戦略と一致したものとなるよう配慮します。プロジェクトのあらゆるレベルで戦略的な方向合わせを行うことで、ステークホルダー全員の共通認識を醸成し、組織を前進させる取り組みを確実に進められるようになります。
4. プロセス管理
プロジェクト管理とは、適切な人材が適切なタスクをタイミングよく行うことを目指す事前対応型のプロセスです。プロジェクト管理方法を定めないと、つい反応的に作業を進めてしまい、既知のリスクに対して事前に計画を立て、プロジェクトの目標やパラメーターを当初から定めるのではなく、発生した問題にその都度対応することになってしまいがちです。
プロジェクトマネージャーは、チームがプロジェクトを小さく、管理しやすい部分に分解できるよう支援します。プロジェクトを分割し、タスク、マイルストーンと期限が割り当てられた明確なプロセスに仕立てることで、チームメンバーを効率的に指導し、問題に機敏に対応できるようにします。
5. 品質管理
品質管理は、プロジェクト管理に不可欠な要素です。たとえ期日と予算を満たしていても、品質基準を満たしていなければ、プロジェクトは失敗とみなされます。
こうした問題は残念ながら非常に起きやすいもので、時間と予算通りにプロジェクトを進めるようプレッシャーをかけられていると、急いで作業をこなし、細部がおろそかになりがちです。
プロジェクトマネージャーはこの点に配慮し、期限と目的のみならず、プロジェクトのタスクの実行状況にもよく目を配ります。全員が目指すべき水準を正確に理解できるよう、成果物の概要を説明し、品質基準を定義します。
6. コストの削減
PMI によれば、2018年には、プロジェクトのパフォーマンス不足に伴い、投資金額1ドルにつき9.9%が空費されています。10億ドルの投資につき、9,900万ドルが無駄になったということです。
プロジェクト管理は、効率の向上、リスクの軽減とリソースの最適化により、プロジェクトのコスト削減に寄与します。プロジェクトマネージャーに投資する費用の追加分を考えても、そのリターンは非常に大きなものです。
Lucidchart でプロジェクトをスケジュール通りに進行
ツールの選択はプロジェクトの成否に大きな影響を及ぼします。Lucidchart は、プロジェクトマネージャーやチームがプロジェクトの成果物を計画、追跡、実行するのを支援するクラウドベースの作図ソリューションです。
プロジェクトの各フェーズにつき、以下をはじめ、多彩な Lucidchart のプロジェクト管理テンプレートが役に立ちます。
- プロジェクトチェックリスト
- プロジェクトタイムライン
- ガントチャート
- プロセスフローチャート
- スプリントタイムライン
- プロジェクトダッシュボード
すぐに使えるテンプレートと充実の図形ライブラリで、ダッシュボードや図を手早く簡単にカスタマイズでき、さらに条件付き書式を適用してデータを文書に直接リンクすれば、プロジェクトの進行状況をリアルタイムで追跡することができます。
適切なプロジェクト管理とリソースがあれば、プロジェクトを毎回確実に成功させることができます。
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