【図解】システム構成図とは？書き方をサンプルやテンプレートで解説

少し古い表現ですが、「目標を定めるには、まず現状を把握しなければならない」と言います。その現状を理解せずに、クラウドインフラを最適化し改善することはできません。クラウドインフラを自動生成すれば、インスタンスを一目で確認でき、最適化の余地がある部分を見つけることができます。

システム構成図とは、クラウドインフラストラクチャやネットワークの現状を視覚的に表現する図です。この図を使うことで、システムの各要素やその相互関係を一目で把握することができます。

例えば、クラウドインフラの最適化や改善を行う際には、まず現状を正確に理解することが重要です。システム構成図を作成することで、インスタンスやリソースの配置を確認し、最適化が必要な部分を見つけやすくなります。

また、クラウドアーキテクチャの現状を示す図は、エンジニアや他のチームメンバーにとって非常に役立ちます。自社のエコシステム内でどのようなアプリケーションを開発すべきか、どの部分を改善すべきかを検討する際に、この図が参考になります。ビジュアルを使うことで、変化し続けるプラットフォームを明確に理解することができます。

コンサルタント、あるいは社内アーキテクト、ITエンジニアや DevOps マネージャーなど、さまざまな職種において、インフラ構成に変更を加える前にその内容をしっかり理解し、変更内容を他のユーザーに伝えて承認を得るためには、対象のインフラストラクチャを図式化することが重要であり、システム構成図の活用場面は多岐にわたります。

以下にいくつかの具体例を挙げます：

1.

インフラストラクチャの最適化と改善

システム構成図を用いることで、現在のインフラの配置や使用状況を視覚的に確認できます。これにより、どこに最適化の余地があるのか、どの部分が過剰にリソースを消費しているのかを見つけやすくなります。改善すべきポイントを明確にすることで、効率的なリソース管理が可能になります。

2.

開発計画の策定

エンジニアはシステム構成図を参考にして、新しいアプリケーションの開発や既存アプリケーションの拡張を計画することができます。例えば、どのサーバーに新しいサービスを配置するか、どのネットワークセグメントに負荷がかかっているかを判断するのに役立ちます。

3.

チーム間のコミュニケーション

システム構成図は、技術チームだけでなく、非技術系のチームメンバーにもわかりやすい形で情報を提供します。これにより、全体像を把握しやすくなり、プロジェクトに関与するすべてのメンバーが同じ理解を持つことができます。

チームに新メンバーを迎えた時にも、研修にビジュアルを使えばクラウドインフラストラクチャの内容を的確に伝えられ、スムーズに業務に馴染めるようになります。

Lucidchart では、クラウドインフラストラクチャ図を作成してチームで参照するだけでなく、社内イントラネットや Confluence などの人気アプリで 図を公開 することも可能。毎日使っているアプリケーションに インテグレーション でビジュアルを追加すれば、一か所でいつでも図を確認でき、研修中に不明な点が出てきた場合でも、質問がある場合でも、それぞれが自分で問題点を解決できるようになります。

4.

トラブルシューティングと問題解決

問題のトラブルシューティングが必要となった場合でも、クラウドインフラ構成図を使えば、問題と影響を受けるエリアを視覚的にスムーズに特定可能。システム構成図の活用で、問題の根本原因を見つけて迅速に解決し、組織の円滑な運営を維持して収益の損失を防ぐことができます。

この場合にも、ビジュアルを利用することで、クラウドインフラストラクチャの内容を他のユーザーにすばやく伝えることができます。また、インシデント対応には環境を正確に表す図が欠かせません。企業の多くではチーム間でインフラストラクチャが共有されているため、部門内のチームがアクセス権限のないインフラストラクチャの内容を把握しなければならない場面もあるでしょう。また、問題のトラブルシューティングの過程で、利用しているクラウドサービスプロバイダー (Amazon Web Services、Google Cloud Platform 構成図など) にインフラストラクチャのドキュメンテーションを提供する必要が生じることもあります。Lucidscale を使えば、最も重要性の高い情報がすぐに見つかり、特定の領域を手早く確認して問題のスピーディな解決につなげられます。

5.

セキュリティ管理

システム構成図を使用して、どの部分がセキュリティ上のリスクが高いかを特定することができます。ネットワークセグメントごとのアクセス制御やデータ保護の観点から、適切な対策を講じるための基礎情報を提供します。

6.

監査とコンプライアンス

規制当局や内部監査のために、システムの構成とその運用状況を明示する必要がある場合、システム構成図が非常に役立ちます。図を提供することで、現在のインフラが規制要件を満たしているかどうかを容易に確認できます。

システム構成図の書き方は、以下のステップに従うと効果的です。これにより、システムの構成を正確かつわかりやすく視覚化することができます。

1.

目的の明確化

まず、システム構成図を作成する目的を明確にします。これにより、どの要素を含めるべきか、どのレベルの詳細が必要かが決まります。目的に応じて、以下のような構成図を作成します。

• 高レベル構成図

  ：全体像を示すための図

• 詳細構成図

  ：特定のコンポーネントやプロセスに焦点を当てた図

2.

主要コンポーネントの特定

システムの主要コンポーネント（例：サーバー、データベース、ネットワークデバイス、アプリケーション）を特定し、リストアップします。

3.

関係性の定義

各コンポーネント間の関係性（データフロー、通信経路、依存関係）を定義します。このステップでは、各コンポーネントがどのように相互作用するかを明確にします。

4.

図のレイアウト設計

図のレイアウトを設計します。以下の点に注意します。

• 読みやすさ

  ：図が見やすく、情報が簡潔に整理されていること

• 一貫性

  ：同じ種類のコンポーネントは一貫したアイコンやシンボルで表現すること

• 階層構造

  ：上位から下位の階層へと整理すること（例：ネットワーク -> サーバー -> アプリケーション）

5.

図の作成

以下の手順で実際に図を作成します。

1. コンポーネントの配置

   ：主要コンポーネントを図上に配置します。

2. 接続の追加

   ：コンポーネント間の関係性を示す線を引きます。矢印を使ってデータフローの方向を示すこともあります。

3. ラベル付け

   ：各コンポーネントと接続に適切なラベルを付けます。これにより、図がより理解しやすくなります。

7.

レビューと修正

作成した図をレビューし、必要に応じて修正します。チームメンバーやステークホルダーからフィードバックをもらい、図が正確であることを確認します。

8.

共有と更新

最終的なシステム構成図をチームと共有します。システムが変更された場合は、構成図も適宜更新します。クラウドインフラは特に変化が多いため、定期的に見直すことが重要です。

これらのステップを踏むことで、システム構成図を効果的に作成し、システムの理解と管理をサポートすることができます。

一見作成が難しそうなシステム構成図はLucidscale・Lucidchartのようなコラボレーションツールでサポートされている機能やシステム構成図 テンプレートを使えばあっという間に作成できます。

LucidscaleとLucidchartの豊富な機能

Lucidscale を使用すれば、ネットワークの構成を数秒で可視化できます。クラウド全体を表すビジュアルを自動生成し、クラウド、リージョン、コンピューティングインスタンス、その他のリソースに整理して表示できます。Lucidchart のアカウントをクラウド環境に接続するだけで簡単に始められ、複数のクラウドソース（Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP) など）に接続してインポートすることができ、AWS構成も素早く見える化できます。

Lucidchart では、現在の状態図を手動で作成して今後加える予定の変更を検討することができます。Lucidchart には AWS、GCP、Microsoft Azure の無料アイコン・図形ライブラリが用意されています。また、Lucidscale を使えば、プロセスを合理化して自動的にAWS構成図などを生成し、移行と実装の検証中にチームが正確に環境を把握できるようなります。また、 データをリンク したり、 条件付き書式設定を適用 して、クラウドインスタンスのパフォーマンスを監視するダイナミックなビジュアルダッシュボードを作り上げることもできます。

Google Cloud Platform (GCP) ダッシュボード (オンラインで変更するには画像をクリック)

Amazon Web Services (AWS) ダッシュボード (オンラインで変更するには画像をクリック)

様々なチームが使えるインタラクティブなシステム構成図作成ツール

さらに、よく使うサービスの組み合わせに対応するカスタム図形を作成すれば、構成図のスタートもさらにスムーズに。レイヤーとアクションを使い、インフラストラクチャの現在の状態と最適化された状態を切り替えることも可能。こうしたインタラクティブな機能で、推奨事項を明確に伝え、スピーディな承認獲得につなげることができます。

承認の獲得後は、作成したビジュアルを指針に、インフラストラクチャを迅速かつ効率的に構築できます。インフラストラクチャの構築を実際に担当するチームと協業する場合でも、ビジュアルの活用でプロセスの簡素化が図れます。クラウドインフラストラクチャ図をアーキテクトがエンジニアや実装チームに引き渡すのも簡単です。

GCP アーキテクチャ : ウェブサイト > ダイナミックホスティング (オンラインで変更するには画像をクリック)

Microsoft Azure : 基本的なウェブアプリケーション (オンラインで変更するには画像をクリック)