ストーリーポイントの見積もり

改善したアジャイル計画のためのストーリーポイントを見積もる方法

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読み取り時間 : 約7分

ストーリーポイントは、ライブプロダクトのバックログ項目を実装するために必要な作業を表します。個々のストーリーポイントは、時間枠を意味しています。見積中、特定の時間枠の長さは不明です。たとえば、1つのストーリーポイント項目は、4~6時間の範囲、2つのストーリーポイント項目は5~10時間の範囲とすることができます。目標は、各プロダクトのバックログ項目が完了するまでにかかる時間を大まかに見積もることです。

ロサンゼルスで車に乗ったことがあれば、アルカディアからサンタモニカまで行くのにかかる時間は、交通量、天候、工事の有無、時間帯、予測できないその他の要因など、さまざまな影響により異なることをご存じでしょう。この約51kmの距離を移動するのに、41分で済む場合もあれば、4時間かかる場合もあります。

スクラムのプロダクトバックログの項目は、同じような変数の影響を受けるため、アジャイル計画は南カリフォルニアで交通渋滞に巻き込まれるのと同じくらいイライラすることがよくあります。

さらに、これは大きな問題です。アジャイル計画中に正確かつ一貫して時間や速度を見積もることができなければ、期限の遅れ、ボトルネック、障害、スコープクリープ、さらにはプロジェクトの失敗につながる可能性があります。

でも、ご安心ください。アジャイル計画でかかる時間を見積もるには、ストーリーポイントという優れた手法があります。

アジャイルプロジェクトにおける他の時間見積方法の欠点

ストーリーポイントの見積方法について説明する前に、アジャイル計画で使用される他の時間見積方法を考えてみましょう。

たとえば、見積もった時間をプロジェクトと作業項目に割り当て、スプリントごとの合計時間数を割り当てることがよくありますが、これは、先程の南カリフォルニアの交通に例えるなら、これは距離だけを考え、他の要因を考慮しないことと似ています。

もう 1 つの見積方法は、「理想的な日」を考慮する方法です。しかし、各就業日には電子メールやチャットでの対応、出席すべき会議があるため、会社にいたとしても毎日8時間をまるまる開発業務に当てることはできません。この見積方法も勤務時間のみを考慮し、実際の作業項目を考慮していないことが問題です。

ストーリーポイントとは?

では、ストーリーポイントにより、ユーザーストーリーの完了にかかる時間をより正確に見積もることができるようになるのはなぜでしょうか?

ストーリーポイントでは、チームは作業に必要な労力や複雑さを考慮して、プロダクトバックログ内の各項目を数値化して割り当てます。そのため、ストーリーポイントでは、時間という1つの要素だけを考慮するのではなく、はるかに包括的にスプリント計画を見積もることができます。

ストーリーポイントの見積もりには3つの主な構成要素が含まれます。

  • リスク:特定プロジェクトまたは項目のリスクには、曖昧な要求、第三者への依存、またはタスクの途中での変更が含まれます。
  • 複雑さ:複雑さは、機能を開発する難易度により決まります。
  • 反復作業:反復作業とは、チームメンバーが機能にどの程度精通しているか、および開発における特定のタスクがどの程度単調であるかによって決まります。

上記の3つのポイントを考慮することで、チームはスプリントをより正確に計画し、不確実性に対するバッファーを盛り込み、問題をより適切に見積もり、時間という要素に過度に依存することを回避できます。ストーリーポイントにより、チーム内だけでなく、部門間での一貫性を確保できます。

アジャイル開発でストーリーポイントを見積もるための3ステップ

このプロセスに従って、スプリントをより正確に計画し、現実的な期待を与えることで、プロジェクトをより迅速に進めることができます。

1. フィボナッチ数列を使用する

項目を1、2、3…と機械的に割り当ててしまえば簡単ですが、このような数列の間の差は曖昧で、見積もりを明確に定義できません。

医師の診察室で痛みの評価スケールを利用したことがありませんか?痛みの評価スケールで、1が「全く痛くない」、10が「死ぬほど痛い」を意味しているのなら、4の痛みはどの程度なのでしょうか?また、4と5の痛みの違いは何でしょうか?これまで激しい痛みを経験したことがないなら、腎臓結石の痛みはどう評価すればよいのでしょうか?

フィボナッチ数列は、4と5の間というようなわずかな違いは考慮しません。軽くおさらいをしましょう。フィボナッチ数列とは、各数字が前の2つの数字の合計となる数列(すなわち、0、1、1、2、3、5、8、13、21など)のことです。

アジャイル計画では、数列は通常、0.5、1、2、3、5、8、13などに変更されます。これらの数値を使用することで、項目が3ストーリーポイントか5ストーリーポイントかを簡単に判断できます。

ストーリーポイントの見積もり
フィボナッチ数列の例(オンラインで変更するには画像をクリック)

2. マトリックスを決定する

フィボナッチ数列を使用することに決めたら、次は各ストーリーポイントのベースラインを決めます。例:

1 = 新しい製品をドロップダウンメニューに追加する

2 = ログインしているユーザーの注文追跡を追加する

3 = 評価システムをウェブサイトに追加する

5 = フォーラムをサイトに追加する

8 = サイト全体にGDPRやCCPAコンプライアンスページを追加する

ベースラインはこのマトリックスに1として含まれ、リスク、複雑さ、および反復作業の最小量が実際にどのような感じになるかの基準を設定します。このマトリックスは、労力をより具体的に測定する方法です。時間の長さだけに基づいて項目を判断することをデフォルトにしていないことにご注意ください。

3. プランニングポーカーを行う

プランニングポーカーを行うことにより、チームは各項目に対して正しいストーリーポイント近似値で同意を得ることができます。その仕組みについてご説明します。

  1. スプリント計画会議で、各開発者とテスターが、フィボナッチ数列がそれぞれに書かれたカードを1セット受け取ります。
  2. チームでバックログ項目について質問しながら、機能を明確にしていきます。
  3. 話し合いが終了したら、各開発者とテスターは、見積もりを最も正確に反映したカードを個々に選択します。
  4. すべてのカードが選択されたら、見積担当者が同時にカードを明らかにします。ここで同意した場合、次のバックログ項目に進みます。見積もりが異なる場合は、同意が得られるまでリーダーたちが話し合いを続けます。

プランニングポーカー中、見積担当者が参照できる完成したマトリックスを手元に置いておくと、タスク間の一貫性が高まるため便利です。また、上限を設定しておくと(たとえば、13)良いでしょう。タスクがその制限を超えると推定される場合、より小さな項目に分割する必要があります。同様に、1より小さいタスクは別のタスクと合わせることをお勧めします。

この時点で、スプリント計画会議内で、製品バックログの項目に優先順位を付け、チームが引き受け可能な作業量に基づいてチーム間でタスクを分割できます。

スプリント速度を見積もる方法

ここまで来ると、チームがスプリント中に完了できるストーリーポイントの数について疑問を抱くかもしれません。この数はスプリント速度と呼ばれ、残念ながら、最初のスプリントが完了するまでそれを判断する方法はありません。

第1回目のストーリーポイント計画会議が終わり、最初のスプリント中に、いくつのストーリーポイントを完了したかを数えておきます。その合計数を使用して、チームがスプリント中に完了できそうなストーリーポイントの数を判断できます。その後、プロジェクトを完了するのに必要なスプリントサイクル数を見積もることができます。

スクラムボードまたはカンバンボードを使用している場合は、スプリントの最後にある「完了」にあるストーリーポイントの数を合計します。時間の経過とともに、数週間分のデータの平均を出し、より正確なスプリント速度を見積もることができます。

ストーリーポイントの見積もり
詳細なスクラムタスクボードの例(オンラインで変更するには画像をクリック)
ストーリーポイントの見積もり
優先順位付きのカンバンボードの例(オンラインで変更するには画像をクリック)

過去のスプリント見積もりに基づいて改善を続ける

ストーリーポイントの手法を導入した直後の最初のスプリントは、あまりスムーズには進まないでしょう。しかし、それは普通のことです。フラストレーションがプロセスの邪魔とならないよう、プロセスを始める段階で、チームにそのことを伝えておきましょう。

次回のスプリント計画会議では、チームに何がうまくいったのか、何がうまくいかなかったのか、改善するために何ができるのかを尋ねます。今後の項目をより正確に見積もれるよう、最初のマトリックスを調整する必要があるかもしれません。チームが各タスクの労力の見積もりに慣れるまで、マトリックスは何度でも調整し続けることができます。

アジャイル開発はチームでの作業となるため、チームのフィードバックに基づき改善していくことが重要です。ストーリーポイントは、各タスクに機械的に時間を割り振るほど直感的には感じられないかもしれませんが、時間ではなく労力を見積もることで、スプリントがより健全なものになり、チームがより組織化され、タスクに対する心構えができ、すべてのスプリントで全体的にストレスが少ないものになるでしょう。さらに、利害関係者と期待されることを話し合い、より合理的な納期を設定できるため、効率性が向上し、ひいては製品が改善されます。

すべてのストーリーポイントを見積もったので、次のステップとして、アジャイルリリース計画を作成しましょう。

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